国際交流ワークショップA

カナダ3日目(Bicycle Plans, Evergreen Brickworks)

Bicycle Plan

 トロントではダウンタウン地区全域において、近年急速に自転車利用の利便性を高める動きが進んでいる。
 その背景には1975年設立のCycling Committeeをはじめ数多くの自転車利用促進組織による活動とその調査結果等をもとに、行政の計画として2001年自転車計画<Shifting gears proposal>の策定,2015年新たな自転車計画<Ten Year Cycling Network Plan>などがあげられる。70年代以降、都市エリアの生活向上の環境運動の一つとして自転車ブームが起こり、トロント市内の6割以上約94万人が自転車を保有していることから、1000kmの自転車レーンネットワークの整備、革新的な自転車駐輪施設のデザインや、シェアサイクル等の整備が進められてきた。街中では、
市内を走る自転車は,高速で移動することが可能な環境が整えられ、みなヘルメットを着用した秩序あるサイクリストが多く見受けられた。


Evergreen Brickworks

 煉瓦採掘場として使用されていた都市郊外部の敷地を自然公園としてよみがえらせた場所である。トロントの中心市街地から北西側のDon River Valley地区に位置しており、西のMud Creek,東のDon Riverという二つの河川に挟まれた地区にある。

 現在では、埋め立て後、自然公園や多目的施設として再整備され、NPO法人Evergreenの環境教育プログラムのフィールドとして活用されるなど、日本の跡地活用事例にはあまり見られない将来世代の利益までを考慮した再生事例である。
また、正規スタッフが92名だがカナダ全域にわたって20万以上のボランティアによる奉仕活動や、社会事業主体として不動産かんりゃ他団体のイベント支援、駐車事業やガーデンセンターを通して利益を生み出し、運営費を100%カバーできている点でも、日本で数を見ない優れた運営マネジメントがなされているように感じた。
環境と教育の結びつきの強さがカナダと日本の「環境
(Environment)」に対する考え方の違いを生んでいるという点が興味深かった。