国際交流ワークショップA

カナダ1日目(Distillery District, Toronto Islands)

Distillery District

Distillery District1837年から150年以上続いたウイスキー工場の跡地を再開発した歴史地区である。レンガ造りの建物は当時のまま保存し、トロントで人気のショッピングエリア・観光名所として知られている。当地区の背景は蒸留酒製造場として19世紀世界最大規模を誇ったものの世界大戦や禁酒法などの影響を経て1990年に完全閉鎖となってしまう。その頃同時に、当地区はカナダ最大の映画撮影ロケ地としても活用され、2001年に地区の遺産を守るため、「完全にアート、文化、エンターテイメントに専念された」自動車乗り入れ禁止エリアとして大規模再開発が行われた。
周辺イメージの向上策として用いられたのは、「アート」であり、アーティストを安価な家賃で入居させることで従前のイメージから改善を図った。このようにアートによるイメージ改善・ブランディングを行う手法は世界中で用いられているが、当地区はその成功例として注目されており、国際交流WSでは日本で訪れた横浜の黄金町との対比を考えさせられた。


Toronto Island

Toronto Islandsはトロントのダウンタウンのすぐ南フェリーで15分の位置にある、3つの島の総称である。島は主に住居、公園、空港として利用されており、トロント市民や観光客に人気のレクリエーションの場となっていた。島内は自動車の乗り入れが禁止されており、北米最大のカーフリーコミュニティとも言われている。
 また、その整備にあたっては、1950年代以降に市民の行楽地やリゾート化を計画したトロント市と、開拓した先住民族による既存住環境保全の主張との抗争がなされた。長年の協議の結果、1993年にトロント市が99年間の土地契約を住民との間に結んだことによって、現在のような場の整備が行われることとなった。